1:名無しNIPPER[saga]
2016/06/03(金) 22:31:27.09 ID:UvARFro70
μ'sをおしまいにしてから、一年と少しが経ちました。
九人最後のステージに立って、まだ一年生だった私は、事の大きさや周りの変化についていけなかったんだと思います。どことなく上の空で、何をするにも焦ってばかりで、思い返せばただただ恥ずかしくて……、
「ダレカタスケテー」
なんて。
喜ばしい事に“助けてくれる誰か”に恵まれた私は、今もこうしてアイドル研究部二代目部長、さらに二期目の席に座っていられるのです。あちらこちらで転びながらも、ですが。
部室の一番奥、引き違いの窓を背に、眼鏡越しの室内を見渡せる一番の椅子が私の居所になりました。夏に差し掛かる気配を見せる、賑やかな街区のざわめきを乗せた涼風が、私の後ろ髪を梳かしていきます。
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/06/03(金) 22:34:48.80 ID:UvARFro70
「みんな帰っちゃったわよ? 花陽もそろそろ準備しなさい」
縦長の部室横に繋がった隣の教室から、ふわふわの赤みがかった髪が覗きます。指先で滑らかな毛先をもてあそぶ幼げな癖は、出会って以来ずっと変わっていません。いつからか着始めた、些かくたびれ気味な桃色のカーディガンも、手入れはしっかりとされているみたいです。
「ごめんね真姫ちゃん、待たせちゃって。もうすぐ終わるところだから」
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