29:名無しNIPPER[saga]
2016/06/03(金) 23:51:14.65 ID:UvARFro70
ここには、穂乃果ちゃんがいました。
ここには、にこちゃんがいました。
けれど二人はもういません。渡されたタスキは今、この手にあるのです。道半ばで立ち尽くす私たち三人の姿はまるで、新しい指導者を待つ民衆のごとくに映るでしょう。
“カリスマ”はもういません。自分の脚で、歩かなければなりません。
そこであくまでも平等な私たちは、等価な三人は、これまでの二年間とはまるで違った武器を自らで掲げていく必要に迫られたのです。
「花陽に凛、それとにこちゃん。忘れてると思うけれど、下校時刻とっくに過ぎてるわよ? 見回りの先生来ちゃう前に、早く帰りましょ」
言うまでもなく外は完全に夜。
「ねぇねぇにこちゃん、……一緒に帰ろ?」
人心地ついたらしく、いつもの調子を取り戻しつつある凛ちゃん。にこちゃんに頬を寄せて、おずおずと抱きつこうとしています。中途半端にしおらしい凛ちゃんを振り払おうにも無碍にできない、実は心優しいにこちゃん。
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