過去ログ - 提督「荒潮がセックスと言うのだから、朝潮もセックスと言うのだ」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/06/06(月) 04:37:48.71 ID:iz0HsH6m0
朝潮は二枚のトーストに対してピーナッツクリームをすっかり塗り終わってしまっていた。片方を荒潮に差しだすと「セックス」と感謝された。「セ」を「サン」にすればいいのにと朝潮は何だか面白くなった。

朝潮は椅子に座る己の足元に気配を感じた。確認すると白猫が朝潮の足周りをぐるぐるしている。

そもそもこの白猫はなんだ。この部屋で猫を飼った覚えはない。朝潮は白猫の両脇を持って掲げ、その姿を眺めた。胸から腹にかけて暖色系の大きな丸い模様があった。このような猫は鎮守府内でも見かけた記憶はなかった。

どこからか迷い込んだというならば、外に放してやらねば。開けた窓まで猫を抱えたまま朝潮は移動したが、そこで一旦猫を床に置き戻した。朝潮にしては珍しくも悪戯めいた閃きがあったのだ。

朝潮の内で二つの俗信もしくは法則が結びついていた。一つは猫が落ちるとき必ず足から着地するというもの、もう一つはピーナッツクリームを塗ったトーストが床に落ちるとき必ずクリーム側が下になるというもの。この二つの運命が対決する時どちらに軍配があがるのか、この好奇心が悪戯の核だった。

朝潮は丹念にこしらえた己のトーストを白猫の背中に、クリーム側が当然上になるように取り付ける。しかし、一面ピーナッツクリームのトーストは色彩的に華やかさが欠けているように思われた。


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