過去ログ - 十一年後の名探偵
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87: ◆Q/Ox.g8wNA[sage saga]
2016/06/20(月) 05:22:11.47 ID:TIm4kW2d0
「ペチャクチャペチャクチャ得意げに喋りやがってよぉ!! そうだよ!!俺がみりあを殺したよ!!」

先程までの様子とは打って変わってそう大声で喚き散らしたプロデューサーが、目を血走らせながらナイフを構えた。


「そうだ!! 俺はみりあと付き合ってた!! だが、俺が手を出したんじゃねぇ!!
自然とだ!!あんまりアイツが懐いて来るもんだから……」

「上手くやってたつもりだった!!だが、ライブの前日、上司に呼び出されて言われたんだ!
特定のアイドルとあまりに距離が近すぎる、このままだと処分しなければいけない、改善してくれ、ってな!?」

「俺も確かにヤバいとは思っていた、だからみりあに別れ話を切り出したんだ……。でもアイツ……絶対に嫌だ、別れないって…」

「それでも俺が別れようとして突き放したら、アイツ…アイツ…」


『私、妊娠してるの、もう三か月生理ががないんだよ、プロデューサーとの赤ちゃんだよ』って…」


「それだけじゃねぇ!どうしても別れるって言うなら、ライブが終わったら皆に言うって言いやがる!! そんなの殺すしかないだろう!?
他にどうしろってんだよっ!!」

プロデューサーは一頻り身勝手な独白を続けた後、苛立たし気に地面を蹴り上げた。


「仕方なく俺はみりあに、『分かった、別れないからそれだけは許してくれ…』って言ったよ…、
所詮はガキだな、直ぐに俺の言葉を信じて笑顔に戻った…」

「だが、俺は何時アイツが口を滑らせるか気が気じゃなかった…、腹の中の子供もどうにかしなきゃあならない…、
俺は綿密にアイツを殺す計画を練ったのさ…」


そう言うと、都の方に向かってゆらりと歩み寄りながら、

「……後は都、お前の言った通りだよ……大したもんだなぁ…?? 俺がスカウトした時は、真似だけの似非探偵だったのによぉ…」


ハハッ、と自嘲して、暗い笑顔で都を嗤うプロデューサー。


「まあ、探偵ごっこもこれまでだ…、元々、そろそろ煩くなってきた智恵理を殺して埋める積りで此処まで来たんだからな」

その台詞を聞いて、顔を青褪めさせて話を聞いていた智恵理が絶望に突き落とされた様な顔になり、力無くその場に崩れ落ちた。

今の今まで信じ続けて来たプロデューサーに騙されていた事、既に見捨てられた事に漸く気が付いたのだろう。

前を見据えた瞳にはもう光が無く、絶望に縁どられていた。




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