過去ログ - 漣「ちゃんと、素直にお話したかった」
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名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:30:24.17 ID:U19rEcSe0
「おはようございます、ご主人様っ!」
「はいお早う、今日もよろしくお願いするね」
「ふふん、この漣にお任せください。さて、今日は何から始めますか?」
「そうだね……あ、そうそう、先に言っておかないといけない事があるんだ」
以下略
8
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:31:10.92 ID:U19rEcSe0
「あぁ、そう、これだ」 と言って一枚の書類を漣に手渡す。
「…………へ?」
書類の題字には異動命令とある。脳みそが文字を認識するまでに暫らく時間がかかった。
余りにも受け入れがたい話である。
以下略
9
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:31:53.39 ID:U19rEcSe0
「上の方からね、前線から引いて後方勤務に来ないかって誘われてね」
困ったように頬をかきながら言う。漣はその声に釣られるように書類から顔を上げた。
「実家の親がね、もういい年なんだから嫁でももらってこっちで暮らせって言うのも
あってね、ちょうど良いタイミングだろうって事で受けることにしたんだ」
以下略
10
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:34:37.51 ID:U19rEcSe0
朧は一人廊下を歩いていた。漣を探すためである。
漣が執務室から逃亡した時、偶々近くにいた朧が事情を聞き、探すことを請け負った。
面倒事だとは思うが、姉として見過ごす訳には行かなかった。幸いなことに心当たりはあった。
11
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:35:08.91 ID:U19rEcSe0
「や」
「……」
人気の無い資料室の隅っこの、棚と棚の隙間に漣は収まっていた。7駆でケンカした時も
漣はここにいた。人気がなくて狭いのがお気に入りなのだろう。体育座りをして顔を伏せて
以下略
12
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:36:39.69 ID:U19rEcSe0
「クッキー、朝だから焼きたてだったよ、まだ温かい」
「ん……」
「お、やっぱ焼きたては美味しいね、うん」
もそもそと二人で菓子をほお張り、お茶で流し込む。胃からじんわりと熱が広がり、
以下略
13
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:37:14.88 ID:U19rEcSe0
「美味しかったね」
「……ぅん」
「どうする、話す?」
「だいじょうぶ……」
「そっか、適当に言っておくから。あ、お茶残ってるのは飲んじゃっても大丈夫だから」
以下略
14
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:38:08.88 ID:U19rEcSe0
朧が出て行った後、再びカップにお茶を満たす。自分が逃亡しなければ今頃二人で
お話しながらお茶でも飲んでいたのだろうと思うと胸が締め付けられた。
最初、漣は自分が想像していた以上に、ショックを受けている事に驚いた。ご主人様
がいなくなると言うのもさる事ながら、許婚と結婚するというのが心を大きく乱した。
以下略
15
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:38:47.49 ID:U19rEcSe0
平たく言えば、きっと初恋だったのだろう。言葉にすると、すとんと腑に落ちた。
まだまだお話したいことが一杯ある。朧がこの間また膝をすりむいたとか曙がこっそり
少女マンガを集めてたとか潮っおぱいがまた成長してたニクラシヤアアア……昨日の夜から
楽しみにしていた。
以下略
16
:
名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:40:19.30 ID:U19rEcSe0
「……もっとちゃんとお話したかったな」
一つ口に出すと、あとは止まらなかった。
一緒に散歩して、ご飯を食べて、できれば手をつないで。自分の中でわだかまっていた
気持ちが解れて、溢れていく。
以下略
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