過去ログ - 輿水幸子落下中
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15: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:57:50.25 ID:wyDFH4YB0
互いに無言の時間が流れていった。

今日はきっともう何もできない。

ふと、自分の左手にかかる重さに気付いた。

「そうだ、ケーキを買ってきたんだ。かな子のオススメのお店で買ってきたから、きっと幸子も気に入る」

中身はフルーツがいっぱいのったケーキ。

お菓子のフルーツだから意味はないかもしれないが、少しは体に良いかもしれない。

そして無駄だとわかっていても、聞く。

「2つ買ってきたんだ。……一緒に食べないか?」

『ごめんなさい。ボクの分はいいですから、持ち帰って他の子と食べてください』

「……お母さんに渡しておくから、夕御飯の時にでも食べてくれ」

返事はなかった。

その日は一度も幸子の声を聞けずに終わった。



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