14: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:51:33.73 ID:wyDFH4YB0
スマホは鳴り続けた。
『本当は知っているんです。みなさんが優しいことも、ボクを笑ったりしない人達だということも』
「……」
『でも、それでも』
『もしかしたらと考えてしまう。そんなわけないのに、寝る前にいつも思ってしまうんです』
『あの優しいみんなが、ボクのことを陰で笑ってるんじゃないかって』
『ボクが外に出て来たら、今度はボクの前で笑うんじゃないかって』
『勝手に想像して、勝手に怯えて』
『そんな自分がとても醜いものだと思えるんです』
『そんなことを考えてすごす毎日がとても辛くて苦しくて情けなくて』
「待った!!」
次々と届く幸子の言葉を読んで、俺は叫んだ。
久し振りに聞いた大声に驚いたのだろう。今書いていたらしい文が途中のまま送られてきた。
『ボクは生きていることがは』
その続きだけは言わせるわけにはいかなかった。
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