過去ログ - 佐々木千枝「ビター&スウィートシックスティーン」
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3: ◆ohd.LsER4s[sage saga]
2016/06/07(火) 22:03:55.62 ID:QLtz83v8o

「……最近だと本来の意味合いは薄いみたいですけど、でも友人同士でお祝いのパーティをしたりとかというのは未だに一般的みたいです」


ありすちゃんの返答に、明後日の方へと向かい始めていた意識が戻ってくる。

スウィートシックスティーン。

……甘い、十六歳? 舐めたら甘いのだろうか、私たちは。

梨紗ちゃんが聞いたらぷんすか怒りだしそうなことをふと思いつつ、綺麗に整ったありすちゃんの横顔へついと視線を向ける。


「……あの、でも、どうしてそのお話を?」

「いえ、その……私たち、もうそんな年齢なんだなって思いまして。大人の仲間入りって」


――オトナ。

私から見れば、ありすちゃんはもうオトナだ。

思えば、早くオトナになりたいって想いを抱いていた私と、名前のこともあってか子ども扱いされるのを嫌がっていたありすちゃんは、似た者同士だったかもしれない。

五年前だったろうか、気絶するほど美しくなってみせますと強気に宣言していたありすちゃん。

今はまさしくその言葉の通り、しっとりと潤んで流れるような黒髪の、すごく素敵な女の子になっている。

凛と瞬く切れ長なその瞳は、たれ目な私とは違ってかっこよくて、ちょっとだけ羨ましい。


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