1:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:35:53.24 ID:2TuFKaNt0
藤居朋ちゃんのssになります
地の文とか諸々注意
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:36:25.74 ID:2TuFKaNt0
あたしに言ったのだろうか。
彼はいつも唐突だった。
だからいきなりそんなこと呟いても、あたしはそこまで動揺しなかった。
3:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:37:05.05 ID:2TuFKaNt0
カタカタカタカタ
パソコンから目を離さないままもう一度。
4:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:38:01.77 ID:2TuFKaNt0
曰く、
急に見たくなったらしい。
昨日テレビで海の神秘やらの番組でも見たんだろうか。
5:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:38:52.40 ID:2TuFKaNt0
戸締まりして、事務所の車庫へ。
仕事は?と聞いたら目をそらされた。
仕事をサボれれば、この人はなんでも良いんだろうか。
6:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:39:53.01 ID:2TuFKaNt0
車庫にある、年季の入ったバイク。
骨董品みたいなものだが、彼が暇を見て整備してるらしいのでまだまだ現役。
そんなこんなでちょくちょくお世話になっている。
車種は知らないけども。
7:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:41:37.04 ID:2TuFKaNt0
柔らかな風が頬を撫でる。
渋滞もなく、のんびりとバイクが行く。
少し前に、どうしてバイクなの?と聞いたことがある。
8:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:42:13.80 ID:2TuFKaNt0
太陽が高くなって少し降りてくる頃、行き交う車が少なくなり、信号も減ってきて。
やがて風に潮の匂いがかすかに混ざってくる。
どうやら目的地は海みたい。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:42:54.53 ID:2TuFKaNt0
堤防まで来て、バイクを止める。
長時間同じ姿勢だったので、降りて身体をほぐす。
海月が見たいからって海に来るのはさすがに安直過ぎない?
10:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:43:50.75 ID:2TuFKaNt0
あたしは肩を竦め、海に目を向ける。
そういう時期ではないから、人はいない。
それに加えて、海月もどうやらいないみたいだ。
11:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:44:28.72 ID:2TuFKaNt0
堤防沿いにバイクを走らせるとこじんまりとした定食屋があった。
そこで遅めの昼食を取ることにする。
あたしはせっかくだしお刺身を食べることにした。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:45:26.77 ID:2TuFKaNt0
美味そうだな。
私の刺身盛りを見て彼が呟く。
13:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:46:45.52 ID:2TuFKaNt0
食後のお茶を啜りながら、あたしは独りごちる。
海際で食べるトンカツもなかなか乙なものね
14:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:47:35.38 ID:2TuFKaNt0
あらあら、仲睦まじいのねぇ
人の良さそうなお婆さんがニコニコしながらお茶のお代わりを持ってきた。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:48:30.38 ID:2TuFKaNt0
のほほんとしてたらお婆さんは言葉を続けた。
あたしも若い頃は色々やんちゃしてたからねぇ…
16:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:49:16.03 ID:2TuFKaNt0
お会計をして外に出る。
お見送りの時に頑張ってね、なんて言われた。
いったい何を頑張ればいいんだか。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:49:48.24 ID:2TuFKaNt0
この歳になって真面目に砂の城を作るとは思ってなかったけど、意外と楽しい。
まあ城とは言ってもただの山だけど。
彼は芸術性がうんたらとか言って城の外型から考えてたけど設計図段階で頓挫してた。
やる気のない小学生の自由研究より酷い。
18:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:53:35.15 ID:2TuFKaNt0
海といえば、と思い出す。
そういえば前に海の家の仕事をやったっけ。
皆スタイル良くてちょっと泣けたのもいい思い出だ。
いい思い出、なのだ。
19:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:54:12.69 ID:2TuFKaNt0
悶々としながら砂を盛っていると、いつの間にか空は茜色に染まっていた。
夕暮れの海辺。
ロケーションだけならなかなかロマンチックだけど作り上げた砂山のオプジェらしきものが色々と台無しである。
20:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:55:31.32 ID:2TuFKaNt0
並んで座って海を眺める。
ぼーっとしてる間に太陽がだいぶ低いとこにあった。
そろそろ水平線に触れそう。
21:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 21:56:52.98 ID:2TuFKaNt0
突然、彼がこっちを向いた。
心なしか高揚してる気がする。
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