過去ログ - 藤原肇「見つめて、すうっと、ぼけていく」
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10: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:37:51.11 ID:PvEdMtuwo

ゆっくりと封を開け、ふぅ。と息を吐き、そこに書いてある文字を読んでいきます。

便箋の真ん中にただ、一言だけ。


「十年ごのわたしはりっぱなとうげいアイドルになっているでしょうか? びぜんやきをもってテレビの中でおうたをうたっているでしょうか?」


と。真っ直ぐな言葉とは裏腹にぐにゃぐにゃと曲がったひらがなだらけの手紙には、やはり最後の藤原肇の名前までひらがなで書いてありました。

手紙を読んでいる間、オルゴールの箱を開けたときのように私の中でどこからか懐かしいメロディーが流れ出していきました。

テレビの前、畳の上で足をトントンと踏み鳴らしながらこぶしを握ってマイクに見立てて……おじいちゃんが手拍子を鳴らしている中で歌った歌。

つたなくて舌っ足らずで歌詞の意味も良く分かっていなかったけど笑いながら楽しくてキラキラとしていて……

あの頃の私は今と変わらず素敵な未来をイメージしながら歌を歌っていました。

陶芸アイドルというのも好きなものと好きなものを合わせたもので、きっと自分でもどういうものかイメージできていないはずだったと思い、少しだけ苦笑します。



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