過去ログ - 京太郎「俺にイカサマを教えてください!」 哲也「断る」
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4: ◆yNqBRwiEr2[saga]
2016/06/16(木) 00:47:13.38 ID:4cZ6BMdf0
(そう。無駄なんかじゃない……はずだ。でも、それだけじゃ足りない)

部活が終わり、皆と分かれた京太郎は、路地裏にある小さな雀荘の前で足を止める。
明らかに初心者向けではないと分かる佇まい。
しかし、それこそが今の京太郎が求めている物だった。

(考えてみれば、俺がやってる麻雀ってネト麻と部活の皆と打つだけ。大会も出たのは個人戦だし、負けられない戦い……みたいなのってした事ないよな)

それこそが、自分が強くなれない原因ではないか。
ならば、ギリギリの勝負をする事で、自分に眠っている力が目覚めるかもしれない。

あまりにくだらない、馬鹿げた考え。
それでも京太郎は自分でも気付かないうちに、そんな考えに縋るほど追い詰められていた。

単純に麻雀が好きだった。面白いと思った。
だから負ければ悔しかったし、次こそは勝とうと慣れない努力もした。

それなのに。

努力すればするほど、彼女達との絶望的な差を思い知らされるだけだった。

槓材の在処や嶺上牌を正確に察知する事の出来る咲。
ほぼノータイムでまるで機械のように最適手を導き出す和。
東場に限定されるものの、驚異的な引きを発揮する優希。
あえて悪待ちを選択する事で良い結果を導く久。
過去見た膨大な数の対局をイメージとして記憶しているまこ。

麻雀歴が長いとか、待ちが読めるとか、そんな事では到底埋まらない差。
努力だけではどうにもならない、牌に愛された者とそうでない者の差。

こんなに辛いなら、もうやめてしまえばいい。

その思いを必死で飲み込む。その理由も分からずに。


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