過去ログ - 京太郎「俺にイカサマを教えてください!」 哲也「断る」
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5: ◆yNqBRwiEr2[saga]
2016/06/16(木) 00:50:20.18 ID:4cZ6BMdf0
「いらっしゃい。兄さん、初顔だな」

「え、ええ。よろしくお願いします」

店主だと思われる中年の男に軽く頭を下げる。

想像はしていたものの、やはりRoof-top――彼が唯一知っている雀荘とはまるで違う。
薄暗く紫煙が充満する店内にいるのはメイド服の可愛いらしい店員ではなく、幾度となく修羅場を潜っていそうな強面の男ばかり。

(……何か、すっごい場違いな感じ。引き返すなら今のうちなんだが……)

「丁度いい。今、奥の卓空いたぜ。楽しんでいきな」

「えっ、あっ、はい……」

引き返すタイミングを逃し、促されるままに卓に着く。
既に卓に着いているキツネ目の男と、頭髪の薄い男、小太りの男の視線がまるで品定めでもするかのように京太郎へと注がれる。

「よ、よろしくお願いします」

「その格好、学生さんかい。金は持ってんだろうな?」

「ええ、まあ……」

(大丈夫だ。ちゃんと貯金は下ろして来た)

軍資金は虎の子の八万円。
決して大きな額ではないが、高校生にとっては十分すぎるほどの大金だ。
無論、この金を増やせるなどという甘い考えは京太郎も抱いていない。
しかし、ただ負けて帰るつもりもない。

(そうだ、俺はこの金で雀力を買ってやるんだ!)

心の中で意気込む京太郎を見て、キツネ目が馬鹿にするように鼻を鳴らす。

「それならいいんだが。ちなみに、ここのレートはウマオカなしの代わりにデカピン……つまり千点千円だ。大声じゃ言えねえけどな」

(せ、千点千円!? って事は、飛んだら……二万五千円!?)

先程の勢いは何処へやら。
京太郎は一瞬にして頭から血の気が引いていくのを感じた。


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