過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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952: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:21:45.79 ID:S6YpyFGu0
 ルーナ×ピエリ 番外

◇◆◇◆◇

 それはまさに唐突な出来事と言えた。雪が降り、目に見えて寒々しくなった暗夜王国、その王城たるクラーケンシュタイン、そこにルーナは呼び出されていた。
数日前に大規模なノスフェラトゥ討伐を最後に、今年の遠征予定は無い。また、ルーナが所属していた隊は全体から見ても抜きんでた成果を収めたこともあり、年明けまでの休暇を頂いていたのである。
 ルーナにはしたいことがあった。 だからその準備を始めようと決めていた。しかし、その翌日朝に現れた伝令から城に来るように急かされ、内心気分は傾いている。
 大きな扉を開き中央廊下を直進して、マークスの執務室にたどり着く。
 予定に水を差されたのだから、何かしら大事な要件なのだろう。そうでなければ文句の一つも言ってやるわと意気込んで扉を開ける。
 大量の書類、それらがきちんと整理整頓されて置かれている。ルーナの部屋とは大違いに整ったその部屋の中央にマークスはいた。

「むっ、ルーナか。よく来てくれた。すまないな、お前には休みを出したというのに」
「別にいいわよ。むしろ、休みを無くしてまで呼ばれたわけが聞きたいんだけど」

 世間話などは良いからさっさと本題に入ってほしいと、ルーナは捲し立てる。その語尾に感じ取れる威圧にも似たもの、とても王に向けるものではないが、そういった遠慮なく言ってくるところをマークスは認めていた。認めていなければ多分、いや絶対にルーナはここにいられなかっただろう。

「ああ、そのことなのだが、先日昔の文献を漁っていたらこのような物が出てきた」

 そういってマークスが静かに本を手渡してくる。かなり古い本で年号を見る限りガロンさえまだ生まれていなかった頃のものらしい。
 その本の読んでもらいたいと思われる場所には帯があり、それをルーナは捲る。捲ると何やら昔に描かれたであろう絵画の写しがあった。
 初老の男の絵だ。口に蓄えた髭、どこか優しい表情もあり、パッと見て人当たりは良さそうな男。それだけなら何も気にしないのであるが、ルーナもさすがにその絵の意味不明さに首を傾げた。


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