過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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957: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:30:18.91 ID:S6YpyFGu0
 ルーナが属するグループが行うのはこの中央広場周辺、すでに人々が垣根のよう集まり様子を伺っていた。誰もがあの箱の中身が気になっているといった具合である。

「箱の中身、みんな気になってるみたいなの」
「話を聞いてなかったら、気になるわ。それにあたしたち、絶対怪しい集団にしか見えてないだろうし」
「えへへ、でも、みんな喜んでくれたらうれしいの」
「まぁ、貰って悪いものじゃないとは思うわ。このケーキの監修って、ピエリがしたんでしょ?」
「そうなの! マークス様からピエリにしかできないって言われたの。ピエリのケーキは絶品だから、皆美味しいって言ってくれるはずなのよ。だから残した人はえいっしちゃうの」

 手をシュッシュと動かしながらピエリはそう言う。これは冗談ではない、真面目にそうするつもりだということをルーナは理解していた。ピエリは子供なのだ。見た目は成長した大人に見えても、さっきの笑みから見える無邪気さには子供特有の軽さがあったように、やはり子供という印象をルーナは持ち続けている。

「はいはい、でもその場で食べろなんて言っちゃだめだからね。やっぱり家に帰ってから食べたいはずだから」

 そんな釘を刺して、ルーナはソリを引く馬の背中を撫でると歩き始める。
 ルーナとピエリの担当場所はそれぞれ別々なので、一度ここで別れることになった。

「それじゃ、終わったらここでね?」
「うん、わかったのー。ピエリが最初に来て待ってるのよ」
「ふふん、あたしの方が先に終わらせて先に待っててあげるんだから、負けるつもりないわよ」
「えへへ。ならピエリも負けないように頑張るのよ」

 当たり触りの無い返答を貰い、ルーナは歩み始めた。その手に個人的な思いを込めた箱も持って、その中身を仕事の合間に完成させるために。



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