過去ログ - 奏 「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんでしょ?」
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106: ◆4C4xQZIWw7k3[saga]
2016/07/07(木) 13:38:46.84 ID:JzAJgkPCo
映画が始まり、ニコール・キッドマンが肢体を惜しげもなく晒す。

視聴者の心をいきなり掴む演出だが、奏のハートは別の場所へ飛んでいた。

時を越え、あの日へと。

「実は私、あのとき別にあなたじゃなくてもよかったの。 私の世界を広げてくれるなら、誰でもよかった……」

「怖いことを言わないでくれ……心臓が縮みあがりそうだ」

「ガラスのハートだものね? くすっ♪ ……けど、本当よ。 あの日は本当に誰でもよかったの。 きっと怖いお兄さんにだってついていってたわ、馬鹿な私は」

重力の鎖を解いて、月の裏側まで。
彼女はそう、唄った。

「私って変でしょ? ふふ、そんな顔しなくてもいいわ。わかってるもの。 だけど、学校じゃ真面目なのよ。 本当に。 本当に真面目なの……」

「真面目なのは、いいことだ」

「あなたはそう言うでしょうね。 けれど私にとっては違うの。 私はもっと自分をさらけ出したかった……。私の『真実』を皆に見てもらいたかった……」

「…………」

速水奏。
碧い少女。
彼女もまた。



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