過去ログ - 【モバマスSS】時には、プリンの話を
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7: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/19(日) 01:53:17.16 ID:wjFhQvEZ0
 
「せ、せっかち、なんだね……で、でも、そういうのも、嫌いじゃ……ないよ?」

 むくりと、倒れていた少女の上半身が起き上がった。
 
 そうして彼女が握っていた杖の先を再度床へと叩きつけと、乙女の足元、舞台の床の溝に沿って真っ赤な海が溢れ出す。

 
「しまったっ!?」

 迂闊――彼女は先ほどから、既に詠唱を始めていたのだ。
 呪文を用いず、一定のリズムと音を使った原始的な詠唱術。
 
 舞台の上にはあらかじめ魔法陣が描かれ、贄となったのは彼女自身の血。
 そしてそれをまき散らしたのは、他ならぬ自分自身。

 気づいた時にはもう遅い、舞台の上から溢れ落ちた血の海は今やホール中に広がり、
 その「命の水」とでもいうべき液体に触れた立像たちが、早くもカタカタとその身を震わせ始めているところであった。
 
「えへ……う、上手くいって、良かった」

 杖を支えにして立ち上がったフードの少女が、乙女に向かって不気味に微笑む。
 
「ぶ、舞踏会の……始まり……始まり……」


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