15: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:14:06.97 ID:9fy5FiS10
「……そうだとして、優希の行先に手掛かりは……」
「気付いとらんのか?」
「えっ?」
「だから、気付いていないんか、と訊いとるんじゃ」
「す、すいません。一体――…」
「京太郎」
「は、はい」
染谷さんが、言葉の色を変えた。
真剣な話をする色だ。
私も、固唾を飲んで、見守る。
「優希は京太郎が大事なんじゃ。村を出て欲しくない。けれども、わりゃぁ意思は固いじゃろう」
「はい」
「和の事もあるしな」
「それは――…!」
「優希はいい女じゃ。男の旅立ちを認められん女じゃない。ただ、感情を抑えられず、事に走った」
「……」
「きっと、京太郎と二人で話をしたい、感情をぶつけたい……それなのに、居場所の手掛かりを残さない由も無し」
「……!」
「優希が手掛かりを残せそうな場所など、幾つも思いつかん。きっと、京太郎の家が一番確率が高い」
「わかりました! ありがとうございます! 染谷さん!」
京ちゃんは、店を出た。
私も追って、店を出ようとした。
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