5: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:11:25.17 ID:y9B6aTxU0
「すみません、お待たせしました」
「いえ、こちらこそ忙しいところ呼び出してすみません」
「大丈夫ですよ。だってナナとありすちゃんの仲じゃないですか」
6: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:14:04.57 ID:y9B6aTxU0
これにはちゃんとわけがあります。私だって考えなしじゃないんです。
まず菜々さんは大人です。ここでの大人はしっかりとしているという意味の大人です。
7: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:16:20.12 ID:y9B6aTxU0
文香さんも選択肢にはありました。ただ文香さんは所謂天然が入っているお方です。
尊敬はしていますよ。もちろん大好きですし敬意も持っています。ただ今回にはちょっと……。
8: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:17:16.55 ID:y9B6aTxU0
「それでどんな相談なんですか」
「えっと」
9: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:18:40.79 ID:y9B6aTxU0
「ありすちゃんの要望には応えられるかわかりません。いえ、応えられません」
菜々さんは優しさと甘さの意味を履き違えない人。誰かがそう言っていました。
10: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:20:15.33 ID:y9B6aTxU0
それでも力を振り絞りなんとか応戦します。
「……どうして……ですか」
11: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:22:48.34 ID:y9B6aTxU0
ああ、だめ。もう堪えきれない。涙がこぼれちゃう。そう思ったとき頭にぽんと手が置かれました。
「泣かないでください。それにそんなに強く握ったらスカートがしわになっちゃいますよ」
12: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:24:06.32 ID:y9B6aTxU0
あれ、でも、何かがおかしい。……どうして菜々さんは私の思い人を知っているのでしょうか。
「あれ、違いましたか」
13: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:26:07.72 ID:y9B6aTxU0
「で、でも。私はどうやってPさんに思いを伝えればいいのかわかりません」
「簡単です、とは言えませんね。そうですね、遠回りな表現なんてどうでしょうか」
「遠回りな表現……わかりました」
14: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:31:52.62 ID:y9B6aTxU0
「じゃあ頑張ってください。ナナは応援しています」
そんな言葉が嬉しくて脆くなった涙腺から一筋の涙が流れました。
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