5:名無しNIPPER[saga]
2016/06/24(金) 22:23:08.93 ID:EdrVsbEMo
言われて朝食を改めると、確かに菜々の作りではない。
トーストは上手く焼けているものの、卵焼きは焦げているのと半生でとろけている物が一つずつ、サラダの野菜は甘く見ても乱雑に切られている。
極め付けに、テーブルの中央には大きめのボウルにアイスが山盛りになっている。
「あー……成る程、わかった。どこにいる?」
「ついさっきまで待ってたんですけどね。洗濯が終わったから、いつ起きるかわからないし先に干してくるって……」
「呼んでくる」
聞き終わらないうちにそう答える。
「先に食べててくださいって言ってましたよー」
後ろからそんな言葉が聞こえたような気がするが、聞こえない、知らない。オレ、ウサミン語、ワカラナイ。
良い天気だ。空が高く、青い。雲は無いが、屋上には真っ白なシャツが心地良い風に吹かれ、翻っている。
音を立てないようにそっとドアを開けると、鼻歌が小さく聞こえる。いた。
薄い水色のワンピースに、赤いエプロンがよく映える。
普段はほったらかしの金髪が、肩のところで結ばれている。菜々がやったのか? 後でジュースを奢ってやろう。
しばし眺めていると、向こうもこちらに気付いたようで、ふりふりと手を振ってくる。
何も言わずに見とれていたのが何だか気恥ずかしくなり、照れ隠しに少し大きめの声を出す。
―――ライラ!
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