過去ログ - 高垣楓「二分二十秒の気持ち」
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17: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:29:05.22 ID:9gikU85z0
 プロデューサーのその言葉を受けて、楓の表情に、微かに陰が差したことに、プロデューサーは気付かなかった。

 そして楓自身、なぜ自分その言葉から不穏な気配を嗅ぎ取ったのかがわからないままでいた。


以下略



18: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:30:11.38 ID:9gikU85z0
 楓は僅かに一歩、後ずさる。

 なんら警戒することなど、ないというのに。

 先ほどから彼女の勘が、警鐘を鳴らし続けている。
以下略



19: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:31:18.64 ID:9gikU85z0
 楓「……ペヤング」


 それは、彼女の声にしてはあまりにも底冷えするような響きがあった。

以下略



20: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:33:14.19 ID:9gikU85z0
 P「いやあ、カップ焼きそばといったら、これでしょう」

 P「さっき近くのコンビニに買いに行ったら売り切れてたんですよ」

 P「だからちょっと遠くのスーパーまで行く羽目になってしまったんです」
以下略



21: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:34:36.81 ID:9gikU85z0
 楓「残念です」

 冷ややかでいて、棘のあるトーン。

 それは、井戸に毒を垂らすように、静かな声だった。
以下略



22: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:35:44.27 ID:9gikU85z0
 楓「夜食にペヤングだなんて、めっちゃショックです……ふふ」


 楓「カップ焼きそばといえば、夜店の一平ちゃんこそが単独首位に決まっているのに」

以下略



23: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:37:18.21 ID:9gikU85z0
 P「一平ちゃんというと、あの一平ちゃんですか?」

 相対するプロデューサーの声のトーンが、一段階下がる。


以下略



24: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:38:58.29 ID:9gikU85z0
 楓「どっち側のひとだって言いたいんですか?」

 楓も、それこそ何事もないかのような口ぶりではいるものの、背筋が凍りつきそうになるほどの威圧感が身体から漏れ出ていた。


以下略



25:名無しNIPPER[sage]
2016/06/25(土) 22:39:39.29 ID:s2xu7zxG0
最近はともかく関西じゃペヤングは馴染みが薄かったからしゃーないな


26: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:40:47.17 ID:9gikU85z0
 楓「へえ」

 プロデューサーの、意思の籠もった強い視線を浴びながら、楓はなんでもない様子で返した。

 むしろ、お前の威勢はその程度かと笑い飛ばさんばかりに、逆に彼を見つめ返す。まったくの無表情だった。
以下略



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