過去ログ - 二宮飛鳥「彼女はまるで」相葉夕美「お花のようでした」
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◆kiHkJAZmtqg7
[saga]
2016/06/26(日) 21:42:37.79 ID:VOfVP3iH0
階段を登り、備え付けられた窓から差し込む日差しに目を細めながら扉を開く。
快晴の青い空の下、太陽の光を浴びてご機嫌な彼女は、まさしく花そのものだった。
事務所の屋上、ボクのお気に入りの場所の一つ。
その一角には大きめのプランターが幾つも並べられたガーデニングスペースが拵えてあり、結構な存在感を放っている。
その主であり、ちょうど今踊るように植物たちの世話をしている彼女こそが、相葉夕美……ボクとユニット「ミステリックガーデン」を組み、ステージを共にする相方だ。
彼女はCDデビューの時期、という意味だけでいうなら同期にあたるのだろう。それ以上の接点は、直接的には存在していない。
だけどボクは、彼女のことを少しだけ一方的に知っていた。
この場所で物思いに耽る時、いつだって視界に彩をもたらす花々。
数ヶ月に一度、季節に応じてそのレパートリーも変わっているらしいそれが、ボクの興味を引きつけることは少なくなかった。殆ど1人で育てているという彼女も含めて、だ。
「やあ。手伝おうか?」
「あっ、飛鳥ちゃん!んー……うん、折角だからお願いしちゃおうかなっ。水やりがまだなんだ」
さて、普段ならもっと遅い時間か天気が悪いときに足を向けるこの場所。
しかし今回は話が別。ユニットを組むのだから親睦を深めるために、という名目で花の世話を一緒にしようと申し出たのはボクだ。
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