過去ログ - 二宮飛鳥「彼女はまるで」相葉夕美「お花のようでした」
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3: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:43:28.85 ID:VOfVP3iH0
とりあえずガーデニングスペースの片隅に置かれているじょうろに、水道から水を汲んでくる。鍛えていない細腕にはちょっと重い。

「夕美さん、一つ確認をしていいかい。……そう、水やりをあまり要求しないのは、これと、この花だったかな?」

「そうそう、合ってるよ!えーっと、ちょっと待ってね。……うん、こっちは土が乾いてきてるから少しだけお水をあげて欲しいな。他のお花はちょっと多めなくらいでも大丈夫」

土に指で触れて様子を確認してから、夕美さんはそう答える。

ボクのような素人の身にとって、こういった的確な指示はこれ以上なくありがたいというもの。

教わった知識の反復はできてもまだ不安もあるし、その場その場での判断は彼女に任せるしかないのだ。

勿論、それに甘んじることなくボク自身ができることを増やしていきたいのだけど。

じょうろを傾けて、伝えられた通りになるよう水をやる。

水を浴びて光を反射する苗は、それぞれ成長の具合や形状は違っているものの、健やかに枝を伸ばし葉を増やしていた。

さて、ふと思いついてしまった言葉遊びを隣にいる彼女に投げかけずにはいられないのは、ボクの悪癖の一つかもしれない。

「こうして見てるとさ、いつか花開くときの為に育ちゆく花々はボクたちに似ている、と。そう思わないかい?」

「!……ふふ、飛鳥ちゃん、プロデューサーとおんなじこと言うんだね」

「おや、そうなのかい?あのプロデューサーらしいといえば、そうかもしれないが」

「うん。美化活動で公園のお花の世話をしてたときにね、きれいなお花ですねーって話しかけてくれて。育てるときの苦労とか、きれいに咲いてくれた時の嬉しさを話したら、似てますねって言って名刺をくれたんだ。それが、私がアイドルを始めたきっかけ」

少しだけ意外な方向に向かったこの話題、しかしまた少し彼女を知ることができたのは嬉しかった。



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