過去ログ - 二宮飛鳥「彼女はまるで」相葉夕美「お花のようでした」
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22: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 01:59:13.01 ID:bBQiM+VS0
「よし、準備OKだ。そらそら、最初のポジションに着け」

「はーい」

「了解した」
以下略



23: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:00:00.00 ID:bBQiM+VS0
「全体の流れは十分に掴めているはずだ。あとは、少しでも完成度を高めるよう努めればいい。……技術の面だけの話をするなら、だが」

「それはつまり、それ以外の問題があるという事かな。例えば、精神面とか」

飛鳥ちゃんの問いかけに、プロデューサーさんは考えるような仕草を見せる。
以下略



24: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:02:06.39 ID:bBQiM+VS0
そうして飛鳥ちゃんと他愛のない話をしながら家路につく。

帰ってきてからやることも、コピーしてもらった撮影データを見てああでもないこうでもないとメールし合うことだった。

どこにミスがあった、次はこうしようと一つ一つ課題をまとめていって、そろそろいい時間だから区切りにしようという雰囲気がお互いの文章に現れてきている。
以下略



25: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:03:52.24 ID:bBQiM+VS0
……いけない。これは、駄目。

思考を進めちゃいけない。思考を止めちゃいけない。
頭の中で相反する警鐘をけたたましく鳴らせながら、それでもその正体に手を伸ばそうとする。

以下略



26: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:05:18.74 ID:bBQiM+VS0
「…………どう、しよ」

ぼふ、とベッドに倒れこむ。

ひどく暗然とした気持ちが重くのしかかって、身体を、気持ちを沈めていく。
以下略



27: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:06:25.91 ID:bBQiM+VS0
彼女が風邪をひいていた頃にボクが思い込んでいた、その何倍も。

今の夕美さんは、枯れてしまいそうだった。


以下略



28: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:07:37.29 ID:bBQiM+VS0
正直なところ予感はしてたことだけど、今日のレッスンはそれはもう散々だった。

夕美さんの動きは精細を欠き、時折レッスンを始めたばかりの頃のような大きなミスもしそうになっていた。

かく言うボクも、それに気を取られてかなり出来の悪い動きを晒してしまったわけだが。
以下略



29: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:08:41.48 ID:bBQiM+VS0
都会の道は人が多くて雑多なものだから、歩くことそのものを目的に歩くにはそんなに向いていないと思う。

ゆえに、事務所近くをふらつくときは、いつもここと決めた場所があった。

徒歩だいたい20分。ちょっとした空き時間に向かうことはできないけど、それはもうとっくに諦めている。
以下略



30: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:11:24.08 ID:bBQiM+VS0
「ここには魚も泳いでいて、たまに何匹か水面から顔を出したりするんだ。なかなか、シュールながらもいい光景だよ」

「ただただ広い芝生の真ん中で、寝転がって空を見ると、言いようもなく落ち着く。セカイを贅沢に使っている心地になるんだ」

「色んな花が植えてあるね。少し前までのボクにとって、花は眺めるものでしかなかったんだよ。
以下略



31: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:12:20.63 ID:bBQiM+VS0
「私はね、最近の飛鳥ちゃんのことを、疎ましく感じてたんだ」

「……っ」

最初の一言。
以下略



32: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 02:13:16.04 ID:bBQiM+VS0
「夕美さんっ!」

彼女の目の前まで近づいて、触れた。
片方の手は胸元に添えられていた彼女の手を包み、もう片方の手は彼女の瞳に触れてその雫を拭う。

以下略



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