過去ログ - 怒ってばかりの人がいた
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22:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:36:31.97 ID:4Q6l07Joo

「俺がなぜ怒ってるかって?」

 彼は途端に声を荒げた。

以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:37:07.05 ID:4Q6l07Joo

 彼は手に持った草刈鎌を振り上げる。

「俺がどんなに頑張ってもサーガルの野郎に収穫量では勝てやしない。俺がどんなに頑張ってもウィマスの野郎に作物の質では勝てやしない。これが理不尽でなくて何なんだ」
「へえー」
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:37:33.36 ID:4Q6l07Joo

 彼女はやっぱり愉快そうな顔してた。

「ひみつ!」
「おい!」
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:37:59.54 ID:4Q6l07Joo

 ある朝外に出たところ、誰かが彼を呼んでいた。

「怒りんぼさーん! こっちこっちー!」

以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:38:25.58 ID:4Q6l07Joo

 朝の支度をしている最中、窓から覗くとまだ彼女は屋根にいた。
 またしばらくしてから見てもそこにいた。
 三度目の確認後、彼はようやく外に出た。

以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:39:05.39 ID:4Q6l07Joo

 梯子を戻してやっても彼女はなぜか下りてこなかった。

「腰が抜けちゃって……」

以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:39:32.34 ID:4Q6l07Joo

 少女の近くまで行くと、彼女はひどく震えてた。

「ウィギーちゃんが降りられなくなってたから助けようと思ったら……」

以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:39:58.40 ID:4Q6l07Joo

 その時彼はふと気づいた。
 やっぱり彼女は笑ってる。

「なんで嬉しそうなんだ」
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:40:26.54 ID:4Q6l07Joo

 ウィギーが死んだ。
 突然のことだった。
 その日彼は起きるのが遅れた。



31:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:40:56.60 ID:4Q6l07Joo

 少女に無理やり手伝わされて、二人で一緒にお墓を作った。

「ウィギーちゃん、天国でも元気でね」

以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2016/06/30(木) 23:41:23.58 ID:4Q6l07Joo

 それからしばらく彼女は静かになった。
 相変わらず笑っていたけれど、それでもどこか元気がなかった。



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