22: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2016/07/01(金) 00:26:03.05 ID:PfRiXHRX0
私のギムレットも、彼のシンデレラも飲み終わって、何となくの無言が続く。
それは決して、気まずい沈黙ではなくて、気安い関係特有の、気持ちい沈黙だったのだけれど。
「なぁ、奏」
「何?」
私の方には視線を向けないで、カウンターの奥をぼーっと見るようにして、プロデューサが言った。
「そろそろ、なんで今日呼んだのか聞いてもいいか?」
ああ、と心の中で声を上げる。
誘った時も、ここで会った時も、彼は何も言わなかった。けれどやっぱり、気づいていたのね。
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