過去ログ - 速水奏「The Dark Side of the Moon」
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25:墓堀人[saga]
2016/07/01(金) 12:50:54.51 ID:kj4bVlfs0
「はぁ…恥ずかしいところみせちゃったわね」

「いいえ、そんな事はありません…『涙にもそれなりの快感がある』という言葉もあります…今日の奏さんはストレスを発散しただけです」


彼女なりのフォローなのだろう、この気持ちに整理はつかないが気休めにはなる。






沈黙。






お互い何を話していいか分からず、静かな時間だけが過ぎていく。


「今夜は…」


その沈黙が10分ほど続いたとき、文香がポツリと口にした。


「今夜は月が綺麗ですね」


彼女が見つめる先、窓の向こうにはまん丸とした青白い月が、仄かにこちらを照らしていた。


「なぁにそれ?愛の告白?」


月を見つめる文香の横顔に私は毒づく。


「えぇ、そうかも知れません」


彼女は微動だにせずそう答える。

その青く澄んだ目にはあの月は何色に見えるだろう。


「でも本当に…綺麗ね」


私は文香と視線を並べ、ただぼんやりと月を眺めていた。

そして私は、最後の呪いの言葉を述べた。


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