過去ログ - 吹雪「はやく辞めてくださいよ司令官」 提督「吹雪さんこそ」
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54: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/08/06(土) 13:28:00.09 ID:eHJpYtMCo
 仮に脱走を試みたとしても、それを察知できない艦娘はこの鎮守府にはいない。個々の信号受信能力がどの程度のものかはわからないが、吹雪を含め、全員が何度も実戦を経験した艦娘なのだ。
 彼女らに比べ、建造されて間もない自分たちの信号制御など、たかがしれている。探知を逃れることはできない。
 不審な動きを捉えられるか、逃げ出した後にあっという間に捕まるかのどちらかだ。
 そして、吹雪以外の艦娘も提督も、吹雪への態度からして二人の味方ではない(もちろんこれは誤解だが、至極妥当な推論ではあった)。

「……もう嫌……」

 初月はベッドの中でうずくまった。
 自分たちは絶望的な状況に追いやられた。
 なぜ、どうして。
 問うても答えはどこにもない。
 現実はただただ理不尽だ。

 もういっそ何も考えないほうがいいのか。今から吹雪の部屋へ行って、もう二度と口答えはしない、奴隷にでもなんでもなる、と土下座して許しを請うか。
 ……やけになってそんなことを考えたつもりが、妙に甘美な選択に思えた。
 吹雪がどう判断するかはわからないが、少なくとも今こうして恐怖に震えている状況からは抜け出せる。
 もともと、彼女は新任艦娘など、いつでもどこでも、どうにでもできるはずだ。鎮守府の人員全てが味方なら、何をしても訓練中の事故で通すことだって。
 それならいっそ……。

「ぅ……あー……」

 横から声が聞こえて、初月は、はっと振り向いた。


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