過去ログ - 開かない扉の前で
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101:名無しNIPPER[saga]
2016/07/17(日) 23:36:46.17 ID:MgYlpmbSo

 音楽をかけてから、立ち上がって鞄を持つ。
 
 周囲のクラスメイトたちの話し声を掻き分けながら黙々と歩いていると、
 自分が透明人間にでもなったような気分になる。

 誰も僕に声をかけないし、誰も僕を気にかけない。
 
 もちろん、僕だって話し相手すらいらないと思うほど達観してはいないし、
 人付き合いに倦むほど他人と関わってきたわけでもない。

 自分以外のクラスメイトたちの仲のよさそうな姿を見て、羨望を覚えることはある。 

 とはいえ、わざわざ自分から声をかけたり、今更どこかに混ぜてもらいたいと思ったりするわけでもない。
 
 最初から友達がいなかったわけではない。
 ただ、だいたいのクラスメイトとは話が合わなかったし、予定も合わなかった。
 彼らが楽しんでいる遊びが僕には楽しめず、彼らの言うジョークの笑いどころが僕には分からなかった。

 それは、彼らの、というより、僕の問題なのだろう。
 
 多少、疎外感は覚えるけれど、話の合わない相手と無理に一緒にいるよりは、
 ひとりで好きなことをしていた方が疲れないし、気持ちも軽い。

 人にはその人なりのスタイルというものがある。僕にとってもこれがそうなのだと思うことにした。
 周りからは、強がりにしか見えないかもしれないけれど。




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