972:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 01:42:15.58 ID:IzyndCNto
◇
その日から、僕と小夜はふたりで帰るようになった。
973:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 01:42:38.21 ID:IzyndCNto
◇
終わりかけの夏はいつのまにか過ぎ去って、季節は秋に変わり、けれどまだ、紅葉の見える季節にはなっていない。
974: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2017/12/06(水) 01:43:32.60 ID:IzyndCNto
つづく
975:名無しNIPPER[sage]
2017/12/06(水) 08:32:50.74 ID:TFOxwJqc0
おつです
976:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:54:34.49 ID:S5mn3zpLo
◆[L'Oiseau bleu]A/a
977:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:55:00.90 ID:S5mn3zpLo
それがどうしてなのかは、分からない。
でも、よく考えてみたら、ケイくんがこっちに帰ってきていたとしても、わたしはケイくんを見つけられないかもしれない。
同じ高校に通っているとはいえ、この学校の生徒なんて何百人といて、
978:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:55:27.45 ID:S5mn3zpLo
◇
ケイくんのいないままの高校で、文化祭が開催された。
どこにも行き場もないまま、わたしはあちこちをうろうろしたり、校舎裏で本を読んだりして過ごした。
979:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:55:53.41 ID:S5mn3zpLo
こちらの世界に帰ってきてから、わたしは、お兄ちゃんの部屋の本棚の中身と、祖母が残していたアルバムを眺めた。
写真に映るのが嫌いな人だったけれど、それでも、お兄ちゃんの姿はそのうちの何枚かにちゃんと残っていた。残っている。
980:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:56:20.12 ID:S5mn3zpLo
苦しかったのだろうか?
つらかったのだろうか?
悲しかったのだろうか?
寂しかったのだろうか?
981:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:56:54.98 ID:S5mn3zpLo
◇
982:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:57:21.21 ID:S5mn3zpLo
「……ね、どこに行ってたの?」
「長い話になる」と彼は溜め息混じりにいって、わたしの背後に腰掛けた。
同じ切り株に、わたしたちは背中合わせに座っている。
983:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:57:49.29 ID:S5mn3zpLo
「……帰ってこないんじゃないかって、思ったよ」
「俺も、そう思ったよ」
984:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 00:58:49.17 ID:S5mn3zpLo
「ね……」
「ん」
985:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 01:05:16.57 ID:S5mn3zpLo
「……なあ、なんか」
「なに?」
986:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 01:17:31.85 ID:S5mn3zpLo
空は晴れやかに澄みわたっている。
わたしたちは自分たちの身の回りに起きたことなんてひとつも変えられないままだった。
987:名無しNIPPER[saga]
2017/12/11(月) 01:29:23.04 ID:S5mn3zpLo
「少し、寒くなってきたね」
なんて、そんなことを、平然としたふりをしながらいいながら、
988: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2017/12/11(月) 01:29:50.01 ID:S5mn3zpLo
おしまい
989:名無しNIPPER[sage]
2017/12/11(月) 02:56:15.90 ID:52Bwdkhwo
おつです
990:名無しNIPPER[sage]
2017/12/11(月) 08:09:42.77 ID:Ivh/A9Kfo
乙
991:名無しNIPPER[sage]
2017/12/11(月) 09:09:36.05 ID:0YkIu4OV0
おつです
992:名無しNIPPER
2018/08/27(月) 02:00:15.73 ID:Xvh1PCmX0
( ´ー`)y━・~~~
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