75:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:22:39.95 ID:ZjlcYbSYo
乾いた夜風が吹いている。少しの肌寒さと、足首の痛みを、わたしは感じ取る。
「どうして夜なんだろう?」
「それをいったら、どうしてこんな景色なんだろう、が先だな」
そんなことを話していると、不意に物音が聞こえた。
わたしたちは顔を見合わせてから、坂を上り切った。
そこは円形の広場のようになっていた。
中央には噴水があり、中央には何かの石像が飾られていて、それを囲むようにベンチが置かれている。
そこに、奇妙なものが動いていた。
犬のぬいぐるみ……のように、見える。
安っぽい、クリーム色の毛並みはくるくるにねじれていて、目玉は縫い付けられたボタン。
奇妙な動きで立ち止まって、辺りの様子をうかがうように首を左右に振ったかと思うと、ふたたび歩き始める。
背中にはゼンマイがついていて、一定のリズムでぎいぎいと回っている。
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