786:名無しNIPPER[saga]
2017/10/17(火) 22:55:48.47 ID:1LbshZ6Ho
わたしは、アンドロメダではない。
そんなことを言ったって、意味のないことだ。
「わたしは……まひる、わたしはね、誰かとずっと一緒にいるっていうことがどういうことなのか、ぜんぜん想像できないの」
「……」
「ケイくん、と、一緒にいたいよ。でも、わたしは、ケイくんが……」
うまく言葉に、できない。
何を、どう、説明すればいいのか、どういう言い方なら、伝わるのか。
「失うことと手に入らないことなら、どっちが悲しいのかな」
彼女は、天気の話をするみたいに、そんなことを言った。
「怯えることが間違いだとは、わたしには言えない。だから、それもひとつの生き方だねって、そう思うけど」
遠くを見るような目で、彼女は霧に包まれた街を見下ろしている。
「ある意味だと、それは悟りの境地なのかもしれない。際限のない欲望と手を切って、何も求めなければ、
傷つくことも失うこともない。ただ物事があるがままにすぎるのに任せていれば、穏やかに生きられる。
でも――“愛奈ちゃん”はそれでいいの?」
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