925:名無しNIPPER[saga]
2017/11/24(金) 01:03:35.93 ID:pmjGcbbto
他の生き方なんて、僕は知らない。
知ったところで今更だ。
戻れない。……戻れない。
展望台の窓から街が見える。何にも変わらない。
ガラスに映り込んだ自分の顔つきにすらうんざりする。
そして不意に、その表情をのせた肩の向こうに、扉を見つけた。
振り返ると、扉がある。
不意に、耳に、声が届いた。
どこか遠くから、運ばれてきたような、声。
――わたしは、待ってる。
それは、ついこのあいだ聞いたような、ずっと長いあいだ聞かなかったような、そんな声だ。
甘く優しく耳朶を打つ。
その響きに、僕は、今、何かを思い出そうとしている。
扉を、見つめる。
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