935:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 23:26:30.69 ID:L2HTNNmfo
僕らはどこまで行っても地を這う動物だ。
空は僕らの住処ではない。
そんな当たり前のことを、僕は忘れてしまっていたのだろうか。
言うなればこれは裁判だ。
裁判官はひとり、被告も原告もひとり。
すべてが僕で、でも、全員が僕から離れている。
僕が立つべき場所は、裁判官の席ではない。
被告席だ。
原告席は僕が傷つけた人のものであって、僕のものではない。
裁きの法も、僕が決めることではないし、裁きをくだすのも、僕の役目ではない。
僕が立つべき場所はここだ。
そう気付いた瞬間、僕の周囲にいた僕の姿が消え失せた。
空を見る。
あの月も、もうどこかへ消えてしまっている。
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