155: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/08/09(火) 15:46:10.68 ID:8dWkI+gE0
夕張が寝静まった頃。
北上はふと目が覚めてしまい、部屋のトイレへと向かった。
その後ベッドに戻る時。
夕張の寝顔を見て一度くすりと笑うと、彼女はベッドのヘッドボードに置いた、自分の財布を手に取る。
よくある革の長財布には、カードや現金がそれぞれ区分けされて入っている。
そして財布の一番端、せいぜい薄いカード一枚しか入らないであろう区画。
彼女はそれを引っ張り出すと、今日一番の笑顔を浮かべる。
それはわざわざプリントアウトした、先日撮ったケイの写真だ。
写真の中の彼は愛車と共に笑顔で写っており、北上は、それに釣られるように一層笑みを深くしていた。
“ちゃんと受かれば、また一歩進む……アタシ頑張るよ。楽しみだねー、ケイちゃん…?”
丹念に味わう様に写真に唇を這わせ。
そして北上は、終始幸せそうに、再び眠りへと落ちて行った。
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