215: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/08/31(水) 14:09:38.93 ID:eYC625WV0
『もしもし?珍しいねー、ケイちゃんから電話なんて。』
「ああ、今日は半休喰らってたんで。たまにはいいかなって。」
『ふふー、寂しかったの?』
「擦ってないか心配だったんですよ。バリさんはどうです?」
『あー夕張ちゃん?初日にトラック乗る時、お尻から落ち…』
『北上さん!?言わないでくださいよー!』
『…まあこんな感じ。ちょっと夕張ちゃんに代わる?』
「そうですね。ちょっと今後の話もあるんで…もしもし?」
『ケイくん?久しぶりー。ここでも私のドラテクが日を噴いてるわよ!』
「なるほど、バッテリー上げたのか。」
『んが〜……ま、まあ、私も北上さんも順調順調。そりゃウォッシャー液噴いた人とかいたけ…』
『夕張ちゃーん!』
「あはは、まあ色々あったみたいだな。でも二人とも順調そうで良かったよ。
ところで免許の本試験なんだけど、いつ頃行く?」
『平日だったらいつでもいいわよ。その辺は提督と相談で。そろそろ代わる?』
「了解。もしもし?ユウさん?」
『戻ったよー。ところでケイちゃん、あのお寿司について訊きたい事あるんだけどさー……』
「はは…あ、あれはですねー……」
会話に夢中になる中で、彼は昼に感じていた感覚をようやく忘れていた。
毎日のように聞いていた声。
それを耳にした時、高揚ではなく、落ち着きを感じていたからだ。
今こうして、整備以外の時間を笑って過ごせている事。
それを最初にもたらした声は、確かに電話の向こうにあった。
そうだ、もう少しで直接耳に入る。
慣れとは恐ろしいものだ。彼女達が帰って来れば、今日の違和感も薄れるだろう。
そう考えながら、ケイは暫し、笑い話に花を咲かせていたのだった。
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