過去ログ - 北上「離さない」
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288: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/09/19(月) 03:18:58.89 ID:E7lzRi1dO

遡る事、12月30日。××鎮守府工廠。


年の瀬寸前のこの日だが、工廠には年末ムードは全く無かった。

冬休みこそ決まっているが、それは年明けのしばらく後。
ケイも夕張も成人式を控えており、彼らの冬休みは、そこと被るように組まれていた為だ。

そしてこの日、工廠はまさにそんな話題が出ていた所である。


「冬休みかー…実家に2、3日顔出せば充分なんだけどな。」
「まあまあ、もう観念しなって。招待状来たでしょ?」
「お袋からガッツリ転送済みだよ。スーツなんてまともに着た事ないっての。」
「私は着付けも押さえたわよ。一生に一度だもん、ちゃんとしないとね。
あ…そう言えばケイくん、大分髪伸びたわね。」
「ああ、そう言えばしばらく行ってないな…。」


いつもの帽子からはみ出る髪も、大分長さが目に付くようになって来た。
だが、言われてしまうと気になるもので。
ケイはそれまで気にしなかった髪を、無性にうざったく感じるようになっていた。

そして終業時刻となり、この日の工廠は店仕舞い。
丁度今日から冬休みの始まる者もいる。いつもより減った仕事と人の数に、二人はいよいよ年が明けるのを感じていた。


「皆実家かぁ…駅前も正月休み多いしな。あー…ダメだ、やっぱ髪切りてえ。」
「暮れじゃどこも閉まってるわよ?」
「そうなんだよなー…ま、しゃあないね。バリさん、それじゃ今日は終わりで。お疲れ様。」
「お疲れ様。この後どうする?」
「粗方試作は作っちゃったし、メシ食って部屋戻るよ。設計の下地でも書こっかなー。」
「あ、じゃあ私も行く。お腹減っちゃった。」


二人は工廠を後にし、食堂へと向かった。
そして夕張と席に座ると、見慣れた三つ編みが近付いてくる。




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