過去ログ - 北上「離さない」
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348: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/10/06(木) 04:55:03.71 ID:FtLTPb5v0


「……そ、そうなんだ…あはは、やっぱりね!本当仲良いもんね、最初付き合ってると思ってたわよ!」
「俺の中でも色々あったんだよ…まあ、玉砕覚悟って奴。
これで後輩にしか見れないんだよねー、とか言われたら立ち直れねえよ…。」
「大丈夫だって!ふふ…でも良かったわね。ケイくん、見ててちょっと心配だったもん。」
「何で?」
「……幼馴染の事、あったでしょ?それで結構根詰めてたりして…人間らしくなったかな、って。」
「…前言ってたじゃん?戦争が終わったらどうしたい?ってさ。俺なりに色々考えてんの。
あと、バイクの整備士の資格でも取ろうかと思っててさ。そのうち、もう少し人の生活に近い所でスキルを使おうかなー、って。
…ちょっとはこういう事考えるようになったの、バリさんのお陰だよ。本当に、大事な仲間だ!ありがとな。」



“……………あ。”



そう礼を言う彼の笑顔は。
10代の頃、彼女が恋に落ちた時と同じものだった。

しかしその笑顔は。今は彼女にとって、あまりにも痛い。


“……大切な仲間……か。

嬉しいけど、それより先は無いんだよね…。”


何故だろう。
何でこんなに、いつも通りに笑えるのだろう。
何でこんなに、何も変わらないのだろう。

本当は逃げ出したい、泣きたい。
しかしその時夕張は、いつも通りの態度を崩す事が出来ずにいた。

その後昼食を摂ったレストランも、駅までの帰り道も。
いつも通りの他愛も無い話をして、時折嬉しそうに北上の話をするケイを見て。


相談にすら、乗って。




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