353: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/10/06(木) 05:04:47.23 ID:FtLTPb5v0
同時刻。鎮守府駐車場、植林。
息を殺してそこに身を潜めていたのは、北上だった。
いつ頃着くのかを、彼女はケイに尋ねていた。
幸い今日の仕事は早く終わった、やるなら今しかない。
そう考えた彼女は、今か今かと二人を待ち構えていた。
北上は、ずっと考え続けていた。
何が最も、人を傷付けるのか。
何が人を、生きながらにして苦しめるのか。
そして彼女自身、その答えを身を以て知っている。
それは、心の傷であると。
暴力など、怪我が治れば終わる。
ましてや命など奪った所で、苦痛はそこで終わる。
あくまでケイに疑念を抱かれないように。
そして、邪魔者の心だけに、消えないトラウマを植え付けられるように。
“ああそうだ。例えば今日みたいな状況なら、こうすればいいじゃんか。”
それは表面上は、せいぜい痴情のもつれで済みそうな。
至って平和的で。だが、夕張に対してだけは、最も効果的な方法だと彼女は考えた。
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