385: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/10/27(木) 03:39:17.36 ID:3g77v1CF0
それはケイが、夕張が赴任した時、初めて共同で開発した。提督以外には極秘の機能だった。
艦載機のコクピットに用いられる、特殊な刻印がある。
それはテレポートの効果を持ち、撃墜時、そこから妖精達は脱出を図る。
それを応用し、艤装の内側にそれを刻む。
これは艦載機のものと違い、刻印に亀裂が入る事で応急修理女神を呼び出せるように、新たに開発された魔法陣。
妖精達が魔法陣を開発し、夕張が応急修理女神を使うべき、危険なダメージが及ぶ箇所を何度も計算し。
そしてケイが、一人一人の艤装に丹念に刻印を刻んだ。
艦娘達の命を守る、そのためだけの機能だ。
ケイが使いやすい艤装を目指したのも、強力な武器を開発してきたのも、全ては敵を殺す為。
それは、その為に全てを捧げてきた彼が。
初めて、命を守る為だけに発案した機能だった。
“何も、すっきりしなかったなぁ……みんなの仇、やっと取れたのに…。
ケイちゃん……君は、アタシに生きろって言うんだね……。
会いたいなぁ…今すぐ……会いたいよ。”
伸ばした指の隙間に広がる空は、どこまでも青い。
ぽろぽろと頬を伝う涙は、海へとこぼれ落ちて。
それはとても暖かく、まだ生きている事を彼女に告げていた。
その涙は、愛おしさや、切なさ。
そして、とある絶望を、彼女へと与える。
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