501: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/02/25(土) 04:12:01.41 ID:qVzOFIDxO
「拳銃、ですか…。」
「せや。モノ自体は普通の9mmやけど…弾がちと特殊でな。
メロンちゃん…対艦娘用兵器の噂、聞いた事ない?」
「ええ、眉唾だとばかり思ってましたけど、粛清用の兵器があるって…。」
「それがこいつや。これは司令官クラスと、一部の軍人上がりの艦娘にしか支給されとらん。
こいつは艦娘の装備と違って、深海の弾を参考に作られとる。あいつらのより強力に、確実に艦娘ブチ抜けるようにな。
…ドカンとは行かんけど、ヘッドショットぐらいは決めれるわ。」
「なんでそんな物が……。」
「……国も四の五の言うとる場合やなかったっちゅうこっちゃ。
艦娘については、適正さえあれば原則前歴は不問…中には殺し目当てのサイコパスや、戸籍ごまかしとるスパイやテロリストが混ざっとる可能性もある。
もしそう言う奴がおって暴走した場合、歯止めが必要やってな…まさか今んなって持ってくとは、思わんかったけど。
…メロンちゃん、一丁はキミに貸す。」
「…………!!」
手渡された銃は、実際よりも遥かに重く感じられた。
もしもの際、自分に撃てるのか?
その自問自答は、彼女を駆け抜けて行く。
安全装置を掛け、すぐにポシェットへと銃をしまった。
どうかこれを使う事がないよう、ひたすらに祈りながら。
「メロンちゃん、キミの車借りるわ。
さっき提督からパスもろうてGPS探してみたけど、二人の携帯、あの街へのルートで止まっとる。
途中でどっかに隠したんやろな、100%あっこで間違いない。
あっこは今警察もロクにおらんし、人攫いには持ってこいや…いざって時は、ダート突っ切るで。」
車は唸りを上げ、あの街へ向けて走り出した。
彼女達の、最後の戦場へと向かって。
そこに何が待つのか。
暗闇の奥へと突っ込むかのように、車は高速を駆け抜けて行った。
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