513: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/03/03(金) 01:55:01.40 ID:R10vLyUC0
ぎりぎりと首を絞めたり、ナイフを突き立てたり。
その度に彼の口や刺し傷から、真っ赤な血がこぼれていく。
最後はいつも、同じなんだ。
同じ事をアタシにして。幸せで、満たされて。
笑いながら事切れる、その瞬間だ。
たまにそんな夢を見た時、必ずそこで目が覚める。
目を開ければ慣れたベッドと、冬の朝の寒さと。それと、嫌に火照った体。
あーあ。そっか、まだ2月か。そりゃ寒いよね。
それでふと違和感を感じたアタシは、そいつの正体に気付くんだ。
“げ…濡れてんじゃん…。”
あの夢を見た後は、大体こうなんだ。我ながらこの瞬間は、いつも死にたくなる。
パンツを履き替えて、歯を磨いて。今日は休みで…ああ、何も予定入れてないや。
ケイちゃんも夕張ちゃんも、ましてや遠くの大井っちも、今日は誰も空いてない。
本当に、何もない休日だ。
食堂も顔出す気しないし、買って置いたパンしか食べたくない。
ゴロゴロして、何となく点けたテレビはつまらない情報番組。
誰かが不倫しただの、どっかで人殺しがどうだの、ボーッとそれを流し見してたら、とある特集に切り替わって。
それは、アタシの目を釘付けにした。
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