60: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/09(土) 04:54:31.54 ID:O7w9QjEl0
「ケイくーん、そこに私の手帳………
ご、ご、ご、ごゆっくりーーーー!?」
「バリさん!?ちょ、ちょっと待って!」
忘れ物を取りに来た夕張は、その光景を目の当たりにすると、顔を真っ赤にして走り去ってしまった。
その瞬間に硬直が溶けたケイも同じく、顔を真っ赤にして俯いてしまっている。
北上はその様子をみて、からからと楽しそうに笑っていた。
「あははー、見られちゃったねぇ。
ちょっとイタズラしただけなのにさー。これは大変。」
「ユウさーん…あんたさぁ、ちょっと度が過ぎるんじゃあねえっすかねぇ!?」
「へ?いや、ごめん、ごめんってば…。
あ、あたしゃー痛いのは嫌かなーって…あは、あはは…あばばばばばばばば!?」
こめかみぐりぐりの刑、発動である。
これにはさすがのケイも相当怒ったようで、北上はしばしこめかみを押さえて呻くのであった。
「全く…変な噂になったらどーすんですか!?
バリさんはそういう子じゃないとは思いますけど…これ青葉さんだったら、笑えないですよ。
あんまりイタズラするもんじゃないですよ、もう。」
「…………アタシは別に、いいけどね。」
「……?今何か言いました?」
「いや、何もー。」
夕張が部屋に入った時、北上の顔は背中に抱き付いていた事で隠れていた。
故に本人以外は、誰も知らない。
夕張を目にしたその瞬間。
北上の口元が、ぎらついた笑みを形作っていた事を。
首へのキスが意味するのは、欲望。
それを北上が知っていたのかは、もはや知る由もなかった。
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