76: ◆JdnxYBYeVY[saga]
2016/07/13(水) 15:11:48.80 ID:0U9M/46cO
『まだ医務室でしょ、何かあったの!?』
「い、いや、ちょっとした事故だ…とりあえずそれで大丈夫そう?」
『うん!ありがとー!』
「了解!また何かあったら連絡ちょうだい、お疲れ様ー。
……さて、ユウさん。何か言う事あるんじゃないでしょうか?」
「んぁ…アタシ?美味しいお菓子を食べる夢を見てたけど……?」
「俺の手はポッキーじゃないんですよ…見てくださいよこれ、歯型クッキリですよ。」
「アタシはトッポ派だね。」
「これが最後までぎっしりなのは骨!肉もカリカリしてないから!」
「まー病人だもん、美味しいものに飢えてたんだよー、許してちょうだい。
あーあ、本当にクッキリだねぇ、ごめんごめん。」
そう優しく手を取り、北上は微笑みながら、じっとそれを見つめていた。
付いた歯型を優しく撫で、そして微笑みながら、そっと彼の手を自身の頬へ当てる。
「ケイちゃんの手、冷たくて気持ちーねぇ。」
その手に何度となく頬擦りしながら、幸せそうに北上は笑っていた。
とても高熱を出しているとは思えない程の、幸せな顔で。
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