9: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:19:43.75 ID:QBwtVvxaO
「幼馴染ですかね。」
「好きな人が艦娘になったとか?」
「いや、違いますね。ガキの頃、近所に住んでた姉弟がいたんです。
その2人とは仲が良かったんですけど、ある時期を境に姉弟が引越しちゃって。
深海棲艦に、最初に襲われた街があったじゃないですか。2人の引越し先、そこだったんです。」
「……それで?」
「ニュースになった時、住民の生存は絶望的って報道されたんです。
もう顔もうまく思い出せないけど、あの2人の事を思い出して…俺も出来る事で戦わなきゃって思って。
すぐに参加したかったんですけど、この戦争は、実際に前線にいられるのは司令官クラス…目指すには、俺は若過ぎましたからね。士官学校だけで何年も過ぎちゃいますから。
で、そんな時、工業高校だったんで、進路の中に整備兵の募集があったんです。
だったら整備士として参加しようって、それで決めました。」
「そう、なんだ…。」
「だから、艤装は俺の魂なんですよ。俺の代わりに弾を撃ち、代わりに皆を守る。
弾1発、オイルの一差し。どれも手は抜けませんね。」
「うん…。」
この矜持に偽りはないけど、それを扱う人にとってはプレッシャーになる懸念があった。
だから今の話はせいぜい提督と、整備チームぐらいしか知らなかった事。
彼女に振り向かずに語りはしたけれど、何処となく、空気が冷たくなったのを背中に感じる。失敗だったかな…。
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