過去ログ - 凛「私も、生きる理由見つかったよ――プロデューサー」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/07/06(水) 16:43:24.62 ID:gOF8+lDG0
妖精「そして時は流れ――」
卯月(これって本当に夢なんだよね……?)
妖精「こじらせた男は更にこじらせた」
卯月「こじらせた……ですか?」
妖精「時は流れ、過去の恋愛からはとうに立ち直っていたし、もう忘れかけていた」
妖精「それなりに新しい恋愛もしたし、社会経験も積んだ」
妖精「しかし――あの男を見ろ」
卯月「え……?」
妖精「改めてこの局面を迎えて」
妖精「まだ心のどこかで、心の片隅で、一抹の後悔を引きずっているのではないか」
妖精「俺は何も成し遂げられなかった、俺に誇れるものは何もない」
妖精「恋愛も、部活も、何もかも」
妖精「数々の挫折を経験し、肝心な部分で全てを失い、そうして社会に揉まれる中」
妖精「こじらせた男は、最終的にこのように思い至ったのかもしれない」
卯月「……?」
妖精「自分が主役になれないのなら、誰かを主役にしてあげよう」
卯月「――ッ!!」
妖精「男はその考えに生きることを決めた」
妖精「誰かを幸せにするため、誰かを主役にするため」
妖精「下げたくもない頭を下げ、身を削って、命を削って」
妖精「遠いどこかにある、ぼんやりとした『何か』を追い求めるように」
妖精「どこまでもついてくる現実の影から逃げるように」
妖精「ぼんやりとした何か……。その『何か』が何であるのかは分からない」
妖精「しかし、他人を幸せにするために」
妖精「主役にするために」
妖精「そのために生きている」
卯月「そんな……」
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