過去ログ - 凛「私も、生きる理由見つかったよ――プロデューサー」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/06(水) 16:43:24.62 ID:gOF8+lDG0

妖精「そして時は流れ――」

卯月(これって本当に夢なんだよね……?)

妖精「こじらせた男は更にこじらせた」

卯月「こじらせた……ですか?」

妖精「時は流れ、過去の恋愛からはとうに立ち直っていたし、もう忘れかけていた」

妖精「それなりに新しい恋愛もしたし、社会経験も積んだ」

妖精「しかし――あの男を見ろ」

卯月「え……?」

妖精「改めてこの局面を迎えて」

妖精「まだ心のどこかで、心の片隅で、一抹の後悔を引きずっているのではないか」

妖精「俺は何も成し遂げられなかった、俺に誇れるものは何もない」

妖精「恋愛も、部活も、何もかも」

妖精「数々の挫折を経験し、肝心な部分で全てを失い、そうして社会に揉まれる中」

妖精「こじらせた男は、最終的にこのように思い至ったのかもしれない」

卯月「……?」

妖精「自分が主役になれないのなら、誰かを主役にしてあげよう」

卯月「――ッ!!」

妖精「男はその考えに生きることを決めた」

妖精「誰かを幸せにするため、誰かを主役にするため」

妖精「下げたくもない頭を下げ、身を削って、命を削って」

妖精「遠いどこかにある、ぼんやりとした『何か』を追い求めるように」

妖精「どこまでもついてくる現実の影から逃げるように」

妖精「ぼんやりとした何か……。その『何か』が何であるのかは分からない」

妖精「しかし、他人を幸せにするために」

妖精「主役にするために」

妖精「そのために生きている」

卯月「そんな……」





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