過去ログ - 少女「『わがまま王様と悪い魔女』」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:07:18.48 ID:zJnoMDvlo
 
  むかしむかしあるところにわがままな王様がいました。 
  わがままな王様はとにかく気まぐれで、いつも自分勝手なことばかり言ってはみんなを困らせていました。 
  
  例えばある時は…… 
 
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:08:01.04 ID:zJnoMDvlo
  
 王様「騎士長! 騎士長はおらんか!」 
  
 騎士長「は、ここに」 
  
3:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:08:28.61 ID:zJnoMDvlo
  
  
  またある時は…… 
  
  
4:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:09:35.11 ID:zJnoMDvlo
  
 王様「料理長よ! どこにおる!」 
  
 料理長「はいはいここにおりますよ」 
  
5:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:10:02.28 ID:zJnoMDvlo
  
  とにかく毎日がこんな具合。 
  みんなはうんざりを通り越してこれが普通ぐらいになっちゃって。 
  わがままさえなければいい王様なんですけどね。 
  
6:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:10:34.25 ID:zJnoMDvlo
  
 侍女「姫様、王様がいらっしゃいましたよ」 
  
 姫「本当だどうしよう……」 
  
7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:11:06.94 ID:zJnoMDvlo
  
 王様「やあやあ花のように愛らしく太陽のように美しいワシの孫娘や」 
  
 姫「会うたび会うたび同じ言葉で私を誉めそやしてくださるおじいさま、ごきげんよう」 
  
8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:11:33.47 ID:zJnoMDvlo
  
 王様「ふん、命拾いしたな下仕え」 
  
 侍女「価値あるものは生き延びますゆえ」 
  
9:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:12:01.27 ID:zJnoMDvlo
  
  王様の話はこう始まります。 
  むかしむかしあるところに優しい王子様がいました。 
  優しい王子さまは思いやりと勇気に満ち溢れ、まわりのみんなに慕われていました。 
  
10:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:12:29.01 ID:zJnoMDvlo
  
 「あ、王子様こんにちは!」 
  
 「ごきげんよう!」 
  
11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:12:56.33 ID:zJnoMDvlo
  
  実際は転んで怪我なんてドジはしません。 
  でもお城の中しか知らないフリをした王子は、真剣に「わかったよ!」とうなずいてみせました。 
  本当はお城を抜け出すことなんて日常茶飯事だったんですけどね。 
  
12:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:13:49.69 ID:zJnoMDvlo
  
 娘「あら、また来たのね」 
  
 王子「いやあお城は窮屈で」 
  
13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:14:16.39 ID:zJnoMDvlo
  
  君も綺麗だよ。 
  いや君の方が綺麗だよ。 
  僕は君に会いに来たんだ。 
  
14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:14:43.46 ID:zJnoMDvlo
  
 娘「なあに、変な顔しちゃって」 
  
 王子「べ、別に」 
  
15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:15:31.79 ID:zJnoMDvlo
  
  王子はこの時間が好きでした。 
  お城にいるときはお行儀良くしていなければなりませんが、ここでは子供らしくしていてもよかったからです。 
  
  二人は一緒に長い時間を過ごしました。 
16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:16:25.34 ID:zJnoMDvlo
  
 王子「絶対だよ」 
  
 娘「うん。いいよ」 
  
17:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:16:54.51 ID:zJnoMDvlo
  
  でもその明日は訪れませんでした。 
  女の子が消えてしまったからです。 
  お花畑には誰の姿もありませんでした。 
  次の日も、その次の日も。 
18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:17:24.92 ID:zJnoMDvlo
  
 王様「……孫娘は眠ってしまったか」 
  
 姫「ううん……」 
  
19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:17:51.88 ID:zJnoMDvlo
  
 王様「中途半端。物語として完結していない。三流作家」 
  
 王様「ふん。その通りだろうさ」 
  
20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:18:23.13 ID:zJnoMDvlo
  
  その夜、王様の孫娘がさらわれました。 
  悲鳴を聞いた者もなく、ただ窓だけが開け放たれて。 
  誰もが魔女の仕業と言っています。 
  王様は当然激怒します。 
21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 23:18:50.23 ID:zJnoMDvlo
 つづく 
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