5:名無しNIPPER
2016/07/13(水) 02:01:46.44 ID:kDJppMeS0
体を拭いた後、待っている間にお兄ちゃんが冷えぴたを持ってきた。
「ほれ、貼ってやるからじっとしてろ」
お兄ちゃんが小町の前髪の根元を抑えて上に上げる。お兄ちゃんの冷たくて大きい手が気持ちいい。
貼りやすいようにと目を閉じる。すると急な冷たさに「ひゃっ」と声が出てしまった。
「何?冷えぴた貼ったのに顔赤くなってるんだけど。どういう事?」
「お、お兄ちゃんは気にしなくていいの!!」
「お、おう…」
何かおかしな返答をしてしまった気が…。いやこれは風邪のせい、小町は悪くない。
さっきのと相まって何だか急激に恥ずかしくなってきた。顔に血が上るのが分かる。
そのせいか頭がふらふらし倒れるように寝転び目を閉じる。
「氷枕敷くから頭のけて欲しいんだが…。大丈夫か?」
「頭重いぃ……」
「大声出すからだ…。ちょっと持ち上げるぞ」
すっと頭が持ち上がる。
ふぇ?と変な声を出しながら目を開けると、お兄ちゃんの顔が目の前にあったので驚きのあまり思わず抱きついてしまった。
「ちょ、小町さん?敷きにくいんですけど…。てか本当熱いな。熱上がってるなこりゃ」
「う〜……」
恥ずかしさと暑さで頭がボーっとしてくる。
手に力が入らなくなり倒れそうになったのを、お兄ちゃんが受け止めてゆっくりおろしてくれる。
氷枕のつめたさが肌に心地よい刺激となって染み渡る。
「小町、口開けろ。薬飲ますぞ」
薬特有の味の後に冷たい水が流れ込んできた。ゆっくりとそれをのみほす。
「これでちょっとしたらマシになるだろ。また時間おいて見に来るから寝とけ」
そういって頭をぽんぽん叩く。有難うお兄ちゃん。
心の中でお礼を言うと私は眠ってしまった。
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