7:名無しNIPPER
2016/07/13(水) 02:03:34.54 ID:kDJppMeS0
目を覚ますと見慣れた天井が見えた。
目を覚ますと?
勢いよく体を起こすと隣にお兄ちゃんがいた。
「起きたか、小町」
いつもより声が幾分か低い。怒っているのがすぐに分かった。
私が状況を飲み込めずキョロキョロしているとお兄ちゃんがゆっくり口を開いた。
「俺がお粥持って来たらお前が机に突っ伏してたんだよ。大方勉強して熱が上がったんだろ」
「ったく……、寝とけっていっただろ」
お兄ちゃんが頭に手を添える。何だか雪乃さんみたい。
俯き視線を下にする。モヤモヤした気持ちが胸につっかえていた。
「……で、何かあるんだろ?話してみろよ」
「…やっぱり分かっちゃうか」
「何年お兄ちゃんやってると思ってんだ。むしろかわいい妹の事なら全部わかるまである」
「それは流石にキモいよお兄ちゃん…」
「ほれ、いいから話せ」
私は頷き、ゆっくり話し始めた。
話し終わる頃には泣いてしまっていた。
嗚咽交じりで途切れ途切れだったが、お兄ちゃんは黙って頷いてくれた。
「………大丈夫か?」
頭を撫でてくれる。余計に涙が止まらなくなってしまった。
それでも撫でる手は止まることはなく、泣きやむまで優しい感触が私を包み込んでいた。
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