1:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:27:30.42 ID:IqQXvvRj0
しっぽの気持ちになるみくにゃんのお話です。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:27:59.14 ID:IqQXvvRj0
レッスン帰りに事務所に寄るように、ってPチャンに言われた帰り道。
「お疲れさまでーす! Pチャン、用事ってなーに?」
「おお、お疲れさま。みく、カバー曲が決まったぞ」
3:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:28:29.10 ID:IqQXvvRj0
「ふふふーふふふ、ふふふーふふふーふ♪」
みくのカバー曲、とーっても可愛い♪
「みんなのうた」の映像も見たけど、男女のねこチャンが照れながら仲良くしてるのが、うーん、甘酸っぱい!
4:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:29:03.54 ID:IqQXvvRj0
「Pチャンに相談しようかな。あ、でも明日はみくもPチャンもお休みだったにゃ」
いつも忙しいPチャン。さすがにオフの日まで迷惑はかけられないもんね。
「……うん、まずは自分で考えられるとこまで考えよう」
5:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:30:12.09 ID:IqQXvvRj0
翌日。女子寮の前で待ち合わせ。
「みくおねーさん、おはよーごぜーます」
「おはよう、仁奈チャン。今日はありがとにゃ!」
6:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:30:48.54 ID:IqQXvvRj0
仁奈チャンは午後からレッスンがあるらしい。
だから、それまでお散歩に付き合ってもらうんだ。
「それで、みくおねーさんが仁奈に聞きたいことってなんでごぜーますか?」
7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:32:09.32 ID:IqQXvvRj0
「ちなみに、仁奈チャンは動物の気持ちに上手くなりきれなかったことってあるのかにゃ?」
「ヘビの気持ちになるのは難しかったですよ……」
「そのときはどうしたのかにゃ?」
8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 20:36:09.64 ID:IqQXvvRj0
「ふぅ、着いたにゃー」
ぐい、っと伸びをする。
「みくおねーさん、ここは公園でやがりますか?」
9:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 22:21:30.46 ID:IqQXvvRj0
ベンチに座って仁奈チャンと猫を眺める。
「おお、たくさん猫がいやがりますね」
あのねこチャンが可愛い、あっちではゴロゴロしてるね、なんて二人で喋りながらねこチャンをじーっと観察する。
10:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 22:22:17.50 ID:IqQXvvRj0
地面にしゃがんだ仁奈チャンが、そーっと手を伸ばす。
「……さ、触れた。うわぁ、ふかふかだー♪」
撫でられたねこチャンもリラックスしきった顔をしている。
11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 22:58:40.09 ID:IqQXvvRj0
仁奈チャンにしばらく撫でてもらったあと、ねこチャンは満足したのかふらふら歩いて行ってしまった。
「みくおねーさん、仁奈もしっぽで猫の気持ちを知りて―です!」
「ふふん、みくに任せるにゃ。例えばあそこのねこチャンはね――」
12:名無しNIPPER
2016/07/14(木) 23:00:35.64 ID:IqQXvvRj0
「あ、さっきの猫が戻って来やがりました! しっぽをピーンと立ててやがりますね」
「仁奈チャン、あれはどんな気持ちだと思うかにゃ?」
「うーん、怒ってるように見えるですよ」
13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:04:10.74 ID:IqQXvvRj0
まったりしちゃったけど、そういえば――
「仁奈チャン、しっぽの気持ち、つかめたかにゃ?」
「うーん、猫の気持ちはつかめたけど、しっぽのきもちはわからねーですよ」
14:名無しNIPPER
2016/07/14(木) 23:09:20.90 ID:IqQXvvRj0
「しっぽのキグルミを着れば、もしかしたら仁奈もしっぽの気持ちが分かるかもしれねーです」
「し、しっぽのキグルミ?」
それは、恐らく鈴帆チャンあたりの領分じゃないかな……。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:09:58.48 ID:IqQXvvRj0
仁奈チャンと別れた後、衣装室を覗きに来た。
「仁奈チャンにならって、しっぽのことをよく観察してみるにゃ」
確か、みくの衣装はあの棚だったかな?
16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:14:14.78 ID:IqQXvvRj0
じーっと猫しっぽを眺める。
思えば長い付き合いで、何度も一緒にライブをしてきたんだなぁ。
楽しいステージも、悔しいステージも、ずーっと一緒。
17:名無しNIPPER
2016/07/14(木) 23:16:43.15 ID:IqQXvvRj0
ビクッ、と後ろを振り返るとニコニコしたちひろさんが立っている。
「ち、ちひろさん。驚かせないでほしいにゃ……」
「すみません、ここまで驚くとは思わなくて」
18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:22:23.70 ID:IqQXvvRj0
「うーん、しっぽの気持ちですか」
「なかなかつかめなくて……」
「それなら、歌詞の通りにスキな人のしっぽになったらどうだろう、って考えてみるのはどうですか?」
19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:46:10.05 ID:IqQXvvRj0
「でも、バレンタインのお仕事前にお話したときは――」
「にゃああああ! あ、あのときの話はなしにゃ! やめやめ!」
あのときは、ちひろさんに恋ってなにか聞いたんだっけ。
20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:50:16.12 ID:IqQXvvRj0
ちひろさんは、みくちゃん可愛い、なんて言ってくすくす笑ってる。
大人の余裕ってやつかな? むぅ……。
「……でも、プロデューサーさんのしっぽになったら、って考えてみるのもありかもしれませんよ?」
21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:53:53.94 ID:IqQXvvRj0
「でも、からかって言ってるわけじゃないですよ? それに、この歌詞の『スキ』だって、どういう好きかは分かりませんし」
「ん? どういうこと?」
好きって、えっと、そういう好きじゃないの?
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