12:名無しNIPPER
2016/07/14(木) 23:00:35.64 ID:IqQXvvRj0
「あ、さっきの猫が戻って来やがりました! しっぽをピーンと立ててやがりますね」
「仁奈チャン、あれはどんな気持ちだと思うかにゃ?」
「うーん、怒ってるように見えるですよ」
13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:04:10.74 ID:IqQXvvRj0
まったりしちゃったけど、そういえば――
「仁奈チャン、しっぽの気持ち、つかめたかにゃ?」
「うーん、猫の気持ちはつかめたけど、しっぽのきもちはわからねーですよ」
14:名無しNIPPER
2016/07/14(木) 23:09:20.90 ID:IqQXvvRj0
「しっぽのキグルミを着れば、もしかしたら仁奈もしっぽの気持ちが分かるかもしれねーです」
「し、しっぽのキグルミ?」
それは、恐らく鈴帆チャンあたりの領分じゃないかな……。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:09:58.48 ID:IqQXvvRj0
仁奈チャンと別れた後、衣装室を覗きに来た。
「仁奈チャンにならって、しっぽのことをよく観察してみるにゃ」
確か、みくの衣装はあの棚だったかな?
16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:14:14.78 ID:IqQXvvRj0
じーっと猫しっぽを眺める。
思えば長い付き合いで、何度も一緒にライブをしてきたんだなぁ。
楽しいステージも、悔しいステージも、ずーっと一緒。
17:名無しNIPPER
2016/07/14(木) 23:16:43.15 ID:IqQXvvRj0
ビクッ、と後ろを振り返るとニコニコしたちひろさんが立っている。
「ち、ちひろさん。驚かせないでほしいにゃ……」
「すみません、ここまで驚くとは思わなくて」
18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:22:23.70 ID:IqQXvvRj0
「うーん、しっぽの気持ちですか」
「なかなかつかめなくて……」
「それなら、歌詞の通りにスキな人のしっぽになったらどうだろう、って考えてみるのはどうですか?」
19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:46:10.05 ID:IqQXvvRj0
「でも、バレンタインのお仕事前にお話したときは――」
「にゃああああ! あ、あのときの話はなしにゃ! やめやめ!」
あのときは、ちひろさんに恋ってなにか聞いたんだっけ。
20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:50:16.12 ID:IqQXvvRj0
ちひろさんは、みくちゃん可愛い、なんて言ってくすくす笑ってる。
大人の余裕ってやつかな? むぅ……。
「……でも、プロデューサーさんのしっぽになったら、って考えてみるのもありかもしれませんよ?」
21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:53:53.94 ID:IqQXvvRj0
「でも、からかって言ってるわけじゃないですよ? それに、この歌詞の『スキ』だって、どういう好きかは分かりませんし」
「ん? どういうこと?」
好きって、えっと、そういう好きじゃないの?
22:名無しNIPPER[saga]
2016/07/14(木) 23:57:52.52 ID:IqQXvvRj0
「だから、大切な人のしっぽになったら、って考えればいいと思うんです」
「それで、Pチャン?」
まぁ、みくのことを拾ってくれて、ここまで輝かせてくれたPチャンは、間違いなく大切な人だけど。
23:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:01:30.77 ID:zQEmW9lh0
「プロデューサーさんってあまり感情を表に出さないんですけど、近くにいるみくちゃんの様子を見るとなんとなーく、今の状況が分かったりしますね」
「でも、それは二人で同じことを体験してるからにゃ」
一緒にアイドル活動頑張って、一緒に喜んで、悔しがって、ってそれだけ。
24:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:05:03.85 ID:zQEmW9lh0
「さて、と……」
ちひろさんが、ゆっくり腰を上げる。
そして、みくの表情をじーっと見てから満足そうに頷いた。
25:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:05:48.08 ID:zQEmW9lh0
お部屋に戻って改めて考えてみる。
「うーん、Pチャンのしっぽになる、か」
Pチャンのしっぽになったなら、いつでもPチャンと一緒。
26:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:08:03.03 ID:zQEmW9lh0
翌日、ちょっとだけ早く事務所に向かう。
「おっはようございまーす」
「おはよう、みく。いつもより早いな」
27:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:10:04.92 ID:zQEmW9lh0
頭に疑問符を浮かべるPチャン。背中を向けて立ってる傍へ、てくてくと近寄る。
「そのまま立っててね」
そう言って、Pチャンと背中を合わせる。少し寄りかかるように。
28:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:10:44.46 ID:zQEmW9lh0
Pチャンの後ろでゆらゆら揺れてみる。
「ちょ、みく、背中が中途半端にこすれて、こ、こそばゆい、あははは、や、やめてくれ」
もぞもぞっと動いて、Pチャンが離れてしまった。
29:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:11:39.99 ID:zQEmW9lh0
アナタの一番近くで、アナタの体温を感じて、アナタと気持ちを共有する。
そんな距離感はきっと、とても素敵。
だから、みくもPチャンのしっぽになってみたいな、なんて少し思った。
30:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 00:12:19.82 ID:zQEmW9lh0
終わりです。久々に「しっぽのきもち」を聞いていて突然書きたくなりました。
しっぽのきもちってなんでしょうね?
ちなみに、ちひろさんとのやり取りに出てきた話はCG劇場649話です。可愛いからみんな読もう!
31:名無しNIPPER[sage]
2016/07/15(金) 00:18:04.65 ID:ZWmZP415o
最高神谷山浩子さんやんけ!と思ったらみくさんカバーしてたのね。
劇場も可愛かったよ、おつ!
32:名無しNIPPER
2016/07/15(金) 19:24:08.27 ID:uPOSOkNx0
しっぽのきもちは幼稚園のころ大好きな歌だったからみくがカバーした時まじ嬉しかった。
谷山さんの歌って歌詞の意味が掴みようのないもの多いですよね...
それが谷山さんの歌の1つの魅力なのでもあるのですが。
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